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ハードボイルドという言葉を聞くと、無口な男、酒、煙草、拳銃、古い車あたりを思い浮かべる人が多い。別にそれを笑う気はない。俺だって、入口としては嫌いじゃない。だが、そこで話を終えると、ただの衣装合わせになる。

この教習所で扱うハードボイルドは、強者になるための処世術じゃない。勝つ方法でも、感情を消す訓練でもない。弱い時、負けている時、誰にも褒められない時に、それでも自分の振る舞いを選べるか。そこに焦点を当てる。

だから最初に、いくつか思い違いを片づけておこう。強さと同じなのか。弱い人間にもできるのか。ストイックと何が違うのか。男らしさの話なのか。そして、なぜハードボイルドな人物はいつも少し孤独に見えるのか。ここを曖昧にしたまま先へ進むと、最後には「無口で我慢強い人」という妙な標本が出来上がる。

格好から入るのは構わない。格好だけで帰るなよ。